フッ素、この言葉は誰もが一度は聞いたことが あるのではないかと思います。歯磨き粉のCMで良く出てきますよね。
でもフッ素って何?と言われると、 よくわからない方もいらっしゃるのかも ということで、今回はフッ素についてお話します。 フッ素は無色の気体です。しかしそれを単体で使うことはほとんどなく、化合物として使用されています。
歯科医院で虫歯予防のためのフッ素歯面塗布処置 では、フッ化ナトリウムを使用することが多いです。 フッ素の効果は、
歯の表面が強化され、酸に溶けにくい歯する
初期虫歯を修復する(再石灰化)
虫歯菌の働きを弱くする
この3つです。
特に、生えたての永久歯は歯質が 弱く虫歯になりやすいため、 小児 期にフッ素を使用することで歯質 を強くすることができます。
そして大人になり年齢を重ねてい くうちに、歯ぐきが退縮し根面が 見えてきます。
根面はエナメル質 に比べて虫歯になりやすく、さら に高齢になってくると唾液の量も 低下し、 根面虫歯のリスクがぐん と上がります。
ですから、 フッ素は小児の処置と いうイメージがありますが、 高齢者にも有効なのです。
当医院では高齢者の方へのメンテナンス時に必要な方へのフッ素塗布をおこなっております。 それを定期的に続けていき、 厚生 労働省が取り組む8020運動 (80歳 になっても20本以上自分の歯を 保とうという運動)を達成できるよう、お手伝いさせていただきます。

また、最近のニュースで有害化学物質 PFAS (ピーファス)という有機フッ素化合物の問題が取り上げ られています。
PFASは発がん性に加え、ワクチンによる免疫効果を低下させる等の報告があり、 国民の不安が高まっているようです。
PFAS が有機フッ素化合物の略名であるため、歯科医院で塗布するフッ素や歯磨剤に含まれるフッ素も大丈夫? といった問い合わせがありました。
表に PFAS と歯科で使用する無機フッ素化合物との違いについて簡単にまとめました。 どちらと もFの化学記号がありますが、むし歯予防のために使用するフッ素は無機フッ素化合物であり、自然界には存在せず人工的に合成された有機フッ素化合物である PFASとは全く異なる物質です。
例えるなら、塩素(化学記号 C1) の入った有機塩素化合物であるクロロホルム (CHC1 ) 等のトリハ ロメタンは、肝臓障害、腎臓障害、 催奇形性、発ガン性を有しますが、
ナトリウムと結合した無機 塩素化合物である食塩 (NaCl) は、 日常 食卓で使用する人体に不可欠な物です。 とは言っても、 食塩も摂りすぎると高血圧症などの原因になります。 歯科で使用するフッ素も同様に適正な量を守って使用することが大切です。

 PFAS  歯科で使用するフッ化化合物
 一般名  有機フッ化化合物

パーフルオロアルキル化合物、ポリフルオロアルキル化合物及びこれらの塩類など

 無機フッ化化合物

フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ

 用途  界面活性剤として広く利用

フライパンのコーティング、泡消火剤、金属メッキ処理剤や工業用シーリング材、研磨剤

 歯磨剤、歯科医院でのフッ化物塗布
 人体への影響  発がん性(乳がん、腎臓がん)

肝臓、甲状腺障害

ワクチンによる免疫効果の低下など

 適量接種:虫歯予防、骨折・骨粗鬆症の予防

過剰摂取:急性では悪心、嘔吐、慢性では骨フッ素症、歯のフッ素症

参照:公益社団法人 日本小児歯科学会 小児保健委員会

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